気密・換気へのこだわり
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超気密の真価は、夏の床下湿度にある。
夏の床下湿度をご存知でしょうか。梅雨時や台風シーズンなど、洗濯物がなかなか乾かなかったり、床がジトジトする感触を体験される方は、多いのではないでしょうか?
浴室の乾きが悪くカビなどに悩まされるのもこの季節です。このような時期の床下に湿度計を置けば、常に80~100%の湿度になっています。この季節の床下では、外気湿度より10~20%程度高めの湿度となっています。そのため、床がジトジトするのです。
シロアリ業者に「お宅の床下は、結構乾いていますよ。」などといわれたお宅の床下が、この時期にはジトジト状態であったりすることはよくあります。それは、秋、冬、春には床下が乾いていても、シロアリが活動する夏は、正にシロアリの好む高湿な状態になっているということです。
一方、外気から遮断され、適正な換気の働く床下では、湿度は夏でも50~70%に保持され、床下除湿機などを使えばさらに5~10%下げられます。超気密住宅の床下では、夏でも腐朽菌やシロアリの繁殖がしづらい環境になっています。
適正な計画換気には気密力が不可欠
適正な「給気」と「排気」のバランス。健康住宅を考察する上で、欠くことのできないこのテーマに、株式会社吉田組では科学的に検証を試みています。
24時間計画換気(第三種)における実測排気量(機械排気)と実測給気量(自然給気)の比を求めることで、計画換気が適正に機能しているかどうかの目安を知ることができます。
株式会社吉田組が施工する物件での平均C値は、0.11cm2 / m2です。この性能の実測給気量 / 実測排気量は、68%程度になります。
この換気効率を表現する給気 / 排気の比は、住宅の計画換気の適正度=住宅の健康指数として極めて重要と考えます。この数値を私たちは「気密力」と呼び、気密力60%が、健康住宅の必要条件と考えます。気密力と室内VOC(化学物質)濃度とは、強い相関関係を持ちます。
気密にこだわる施工=断熱、構造など施工精度の高い施工
気密性能(C値)にこだわった施工とは、建物の細部に至るまで精度の高い施工が求められます。
出隅や入り隅、窓廻り、バルコニーの取り付け部など、欠損のおきやすい部位などは、当然入念な施工になりますし、気密シートにシワや緩みがあっても隙間ができやすくなります。
また、気密にこだわることは、断熱材の施工にも関連があり、隙間を少なくするためには、自動的に断熱材の隙間も許されず、構造上の緩みも許されません。
構造の緩みを防ぐには、高い基礎の精度、狂いの少ない良質な材料選択(乾燥材、集成材など)が不可欠となります。
このようにレベルの高い気密施工は、断熱性能、基礎の施工精度、構造精度、使用材料などのすべてが良好で、はじめて成り立つことになります。
夏の必須機能「超気密」
日本の「高温多湿の夏」を快適に過ごすには、気密を抜きに語れません。湿気の高い外気を遮断することで、はじめて室内の除湿や冷房が有効に機能します。仮に四十坪(132m2、天井高2.5m)程度の建物で、時間当り0.5回の換気を行えば、1時間当たり165m3 / Hの外気が、室内に供給されます。外気温30℃、湿度70%の外気の絶対湿度は、19.13g / m3、室内を26℃60%に保とうとすれば、その絶対湿度は、12.83g / m3となりますので、(19.13-12.83)×165=1,039.5g / Hを除湿してやればよいことになります。時間当り約1Lの除湿は、エアコン1台で賄うことも可能です。
最近のエアコン性能は、長足に進歩し、24時間運転でも軽い運転での消費電力は意外と限定的です。わずか1円 / 時間の電気代で除湿できるエアコンも出てきています。
冬の超気密「有効な過乾燥対策」
冬季に、室温を快適にすれば過乾燥になりやすくなります。冬の空気は絶対湿度が低いため、温度を上げれば相対湿度は下がることになり、20℃を超える室内では当然、30%前後以下の過乾燥状態になりやすくなります。
一般的な過乾燥対策としては、加湿したり、植物を置いたり、室内に洗濯物を干したり、調湿性の素材を使用するなどといった方法がとられます。しかし、気密の良くない一般工法ではいくら加湿しても水蒸気はどんどん外へ流出してしまい、効果は限定的です。
一方、高気密住宅では、外への水蒸気の流出がある程度抑えられることで、湿度コントロールが可能となります。また、換気量を弱などに切り換えることで、一層大きな効果があります。ただし、こうした場合には、北側の暖房の届きにくい場所では、結露の可能性が高まることになりますので、ご注意ください。
春になれば「花粉症対策住宅」
高気密住宅のメリットとして、室外からの埃をシャットアウトできることが挙げられます。一般に室内にある埃の70%は、外からのものといわれています。その侵入を防ぐことで室内の埃は、大幅に軽減されます。
通常は、給気口に花粉を防止できるほどのフィルターは設置していませんが、お客様から「花粉症が軽くなった。」「自宅では楽になったが、会社では鼻がグシュグシュ。」といった声を伺っています。オプションでは花粉防止フィルターも取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。